高齢者のケア業務に携わる魅力

 何かと注目される介護業界ですが、仕事として大きなやりがいを感じることのできる業界であることは、多くの介護職従事者たちが感じていることです。まずは労働市場としてとらえた場合、既存の産業を上回る成長力が魅力だと言えます。高齢化の急速な進行に社会の仕組みが追いついておらず、業界の人材不足は慢性化しています。そのため、65歳を過ぎても働かせてくれる施設もあるので、長く安定した環境で働き続けたい人には最適の職場であると言えるかもしれません。

介護職は給与の低さがよく問題にされますが、初任者研修、実務者研修、介護福祉士と資格を取るたびに収入は増えて行くので、キャリアプランも描きやすいでしょう。実務経験を生かして資格を取得し、それをさらに実務に生かすことで力をつけて次の資格に臨むようにすれば、キャリアアップはしやすいのではないでしょうか。そう考えると、昇給の見込みの薄い一般企業より余程やりがいがあると言えるかもしれません。実務面では、とりわけ入居型施設の場合、利用者に24時間に密着して働けることが大きなやりがいだと言われています。今の80代から上はすべて戦時下の苦難を乗り越えてきた人ばかりであり、国の発展に貢献してきた世代であるため、その人たちのお世話をすることは、戦後の荒廃から立ち直るために尽力してきた功労者への敬意を示すことにもなります。

人生の大先輩たちのために働いているという充実感は、食事、排泄、入浴などの業務を遂行するうえでも、大きな原動力になっていることでしょう。単なる職場ではなく、利用者と共に生きる生活の場であるという認識を持つと、この職務に特有の達成感を得られるのではないでしょうか。